真珠のできるまで

稚貝採苗

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アコヤ貝の受精卵は、およそ15日で少しづつたまごの形をつくりながら海底に付着します。
この時期にスギの葉を海中に入れると、好んでこれに付着。
この子貝の採集を稚貝採苗といいます。
近年では養殖業の新しいテクノロジーを活かした人工授精・タンク培養等による人工採苗も盛んです。
ここまでは母貝屋さんの仕事

 

挿核手術
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ここから真珠養殖業者の仕事。
4~5月期を中心に最近ではほとんど一年中行われるようになった挿核作業。
そしてアコヤ貝の外套膜の一部分を挿核時に核に密着させて体内に挿入すると、核に真珠層を巻いた美しい真珠ができるのです。

 

浜揚げ
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春に挿核された貝の多くは翌年の冬に海から引き上げられます。
浜揚げされた貝はひとつひとつ包丁で貝を割り、珠の入っている肉の部分と貝柱に分けます。
そして肉砕機にかけて珠だけを取り出します。

 

洗浄・選別

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取り出された真珠には、ヌメリなどの不純物があります。これを取り除くために塩を用いた研磨機での研磨・水洗いが行われます。そして出荷のためにサイズごとにふるい分けられた後、「浜揚げ・胴珠・シラ・ドクズ」などに選別していきます。

 

入札会・示談取引

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こうして真珠は12月末から2月末にかけて入札会や示談取引によって加工業者へ引き取られていきます。真珠の取引って目方(重量)で行われるって知ってました?しかも単位はグラムじゃなくて匁(もんめ)なんです。これって世界共通なんですよ。

 

一次加工

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真珠業界でいう加工とは、指輪やイヤリングに仕上げる事を指すのではありません。
真珠の中の真珠層以外の不純物を取り除き空枠にセットする直前の形までの作業を指します。加工業者に引き取られた真珠は、まず片穴用と両穴用に選別され、それぞれ穴が空けられます。そして特殊な薬品によって真珠の中の真珠層以外の不純物を取り除く漂白・シミ抜き・調色などの処理が行われるのです。この加工作業が加工業者の腕の見せどころ。各社のトップシークレットで加工作業場は担当者以外は社員も入れないという大切な作業なのです。

 

選別・連組

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加工から上がった真珠は大きさ・形・キズ・巻き・色などにさらに選別され、両穴を空けた真珠は連台の上でバランスを検討しながら糸を通し棒連(金具の付いていないネックレス)へと仕上げてゆく連組という作業を行います。1本16インチが規格の長さです。こうして真珠は棒連や、ルース、ペアシートの姿になって次の取引を待つのです。この段階の真珠の事を業界では「製品」と呼ぶのです

 

製品加工
後は枠に乗せてもらったり、クラスプ(ネックレスの金具)を付けてもらって店頭へ。女性を素敵に飾るジュエリーになります。